学校統廃合に関するUターン通達

文部省の小中学校統廃合についての<br/>「Uターン通達」とは?

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「住民合意の尊重」を求める運動が新たな通達に結実

(2013年2月9日)

学校統合を奨励する文部省の1956年(昭和31年)通達以降、各地で無理な学校統廃合が強行され、様々な弊害を生み出しました。同時に「住民合意の尊重」を求める運動が広がりました。

 

そういった状況を反映して、文部省(当時)も無理な学校統合を進めてきた立場を反省し、新たな通達を出すことになります。最初の通達から17年後の1973年(昭和48年)でした。

 

学校統合を奨励してきた前回の政策を修正・方向転換したもので「Uターン通達」と呼ばれます。これは全国の住民たちの力で勝ち取った画期的な方針です。

 

(2015年1月29日更新)

文部科学省は2015年1月27日、学校統廃合に関する新たな「手引」を各教育委員会に通知しました。

 

「公立小中学校の適正規模・適正配置等に関する手引」についてはこちら

 

方向転換した学校統合政策(1973年通達)

1973年(昭和48年)通達では、学校統合の意義や適正規模については「さきの通達に示しているところ」として、統合基準については見直しはされていませんが、学校統合の方針に関しては、大きく変化しました。

 

無理な学校統合を禁止

最大の特徴は、

  1. 学校規模を重視する無理な学校統合をしてはいけない
  2. 小規模校には教育上の利点があるので、小規模校として残して充実することが好ましい

という方向性を示したことです。

 

前の1956年通達は「統合の推進を図る」ものでしたから、180度方向転換したといっても過言ではありません。これが「Uターン通達」と呼ばれる所以です。

 

統合する場合の注意点

そして、もし統合するにしても、

  1. 通学距離・時間が子どもたちの心身、安全、学校の教育活動に与える影響を十分検討して無理のないように配慮すること
  2. 学校の持つ地域的意義を考慮すること
  3. 十分に地域住民の合意を得ること

が示されました。

 

さらに、統合によって過大校になる場合や現在「適正規模」の学校を統合する場合は、慎重に検討することを要請しました。

 

これは、1956年通達時代に、学校を「12〜18学級」の「適正規模」にするといいながら、実際には19学級以上、あるいは25学級以上の学校が多数誕生し、過大校のひずみが問題となったからです。

 

文部省が学校統合を奨励した時期の学校規模の変化

 

1973年通達のポイント

このように1973年通達は非常に画期的なもので、そのポイントは、

  1. 無理な学校統合の禁止
  2. 小規模校の尊重
  3. 通学の負担を配慮
  4. 学校の地域的意義の考慮
  5. 住民合意

の5つにまとめることができます。

 

基本は、無理に統合せず小規模校の利点を活かして充実すること。やむを得ず統合する場合には、通学の負担・学校の地域的意義・住民合意に十分配慮するということです。

 

この趣旨は、2015年1月に出された「手引」にも活かされています。

 

改定された「手引」は、少子化に対応すべく学校統廃合を進める方向を打ち出していますから、積極的に反映されているわけではなく、無視できなかったというのが適切かもしれません。

 

1973年通達は廃止となりますが、その趣旨まで完全に葬り去られたわけではなく、市町村が学校統廃合を計画する上での現在の到達点として活かされていることも見ておく必要があるでしょう。

(2015年1月26日更新)

 

文部省の通達 : 「公立小・中学校の統合について(1973年9月27日)」

 

2015年1月27日に新たな「手引」を策定し通知したことで、文部科学省のホームページから過去の通知は削除されています。全く信じられません。総務省のホームページに残っていましたのでそちらにリンクしています。5ページが1973年通知です。