学校規模の標準「12〜18学級」は戦後間もない時代の基準

学校規模の標準「12〜18学級」は戦後間もない時代の基準

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学校の適正規模・標準規模は戦後まもない時代の基準

(2013年2月7日)

1947年(昭和22年)3月31日に、教育基本法、学校教育法が制定され、これにより、戦後の新しい学校制度(6・3・3・4制)がスタートしました。

 

このとき、義務教育期間が小学校6年間と中学校3年間をあわせた9年間とされ、戦後の新しい義務教育制度(6・3制)が発足することになります。

 

その9年後の1956年に「12〜18学級」という基準が初めて出てきます

 

ところで、1学級の児童・生徒数は「義務標準法」(※)という法律で定められています。現在は40人(小学校1年生は35人)です。この「義務標準法」ができたのは1958年です。制定された当時の1学級の児童・生徒数は50人でした。

 

(※) 正式な法律名は、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」(1958年5月1日)です。この第3条で「学級編成の標準」が定められています。

 

ですから、「12〜18学級」という「標準規模」が示されたときには、法律で1学級の児童・生徒数さえ決まっていなかったのです。文部科学省の資料によれば、法制定前の各県の基準の平均は60人だったようです。

 

こういう時代の基準が、現在も学校の「標準規模」「適正規模」として使われているのです。当時の「基準」が果たして現代の「適正規模」といえるでしょうか。

 

海外では教育的観点から望ましい学校の規模について実証的な研究も進んでいます。そういった研究成果もふまえて、「学校の適正規模」を考える必要があるのではないでしょうか。

 

標準規模・適正規模を変えない国の責任は重大

文部科学省は、「学校の適正規模」は基本的にそれぞれの地域の実情に合ったように決めるものというように変わってはきています。また12〜18学級の「標準規模」についても弾力的運用を言っています。

 

しかし、「標準規模」は12〜18学級のまま、国が補助金を出す基準としている「適正規模」も12〜18学級のままです。

 

これでは、いくら「適正規模」は地域で決めるといっても、行政や教育委員会が「適正規模」として12〜18学級に向かうのは当然です。もちろん国もそれをねらってのことなのでしょう。

 

本当に子どもたちや地域のことを考えるのなら、「標準規模」や「適正規模」を定めた法令そのものを見直すことが必要ではないでしょうか。